絵を描かない人ほど、スケッチ=クロッキー、ジェスチャードローイングを行うことで右脳を刺激でき、勘やイメージを広げやすくなるということを別記事で書きました。
絵を描く人であるなら、スケッチは必須ということです。
それは基礎力の維持・向上・刺激になるからです。
私は普段ウェブサイトのコンサル、プロデュース、デザインをやっていますが絵も描きます。職業にする勇気がないだけで笑、ストック素材にはイラストを販売しており、本業でもイラストのスキルは図説などを作るのにも役立っています。
クロッキーやスピードスケッチは、ピアノで言えばハノン。指を滑らかに動かすエクササイズ。バレエやダンスで言えば柔軟体操なのです。
この記事では、スケッチがどれだけ画力向上のエクササイズになるのかを、お恥ずかしいですが私が仕事で請け負ったシンボルキャラクターの作成過程を、ビフォアーアフターでお見せしましょう。
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右脳を活性化!絵を描かない人ほどオススメのスピード&スロー スケッチ
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シャンソン歌手のようなややオーバー目な動作の人物
今回は、ある案件ではシンボルイメージになる人物イラストを描くことになりました。
その人物はデコルテ(鎖骨周り)を出したドレスで、ステージ上で羽のショールをまとい、手を広げて上を見上げ、堂々とパフォーマンスをする姿。
ちょうど シャンソン歌手の越路吹雪さんのような、表現や動作がやや大げさ目なステージスターのようなイメージです。
どんなポーズや表情がいいのでしょうか。で、ひとまずスケッチしてみました。
…なんじゃこりゃ〜!!😱
「うわ、、、私ヘタクソだわ」
平面的で動きが全然ありません!マンガっぽいし。
ちょっと青ざめました。
それっぽいポーズをしてますが、身体が硬く、ぺったんこ、絵に面白みがありません。
下描きでよくないものが本描きでうまくいくことはありません。これは使えません。
もう少し練り直す必要がありました。
イメージモデルになる画像を検索してイメージを頭に入れる
まず、イメージの越路吹雪さん。検索してイメージを頭に入れました。
良さげな写真はキープ。
かといってそのまま参考にできそうなポーズはありません。
あくまでもイメージどまりです。
スピードスケッチで動きのある絵を短時間で集中訓練
ここでどうするか。この日は下書きはやめ、
表現力をUPさせるためにスピードスケッチを1時間~2時間ほど行いました。
このスピードスケッチ(ジェスチャードローイング)の目的は、
身体の動き、動きの流れをつかむこと。
そのためには、15秒〜2分などの短時間で描くこと。
下手に長い時間をかけると、服など細かなところに目が奪われ、大事な体幹の動きや流れが見えなくなりがちです。
短時間にする理由に、
1. 変に考えて余計なことに手を動かすスキを排除
2. 要点を拾い、取捨選択の判断をすばやくする「目」「頭」を養う
この2つの目的があります。
今のところ、私は30秒が心地いい。
5秒もやったことありますが全身を描ききれず、修行レベルがまだ及びません(笑)。
1時間強を2日ほど行ったことで
人の動きを描くカンが戻りました。
ポーズの動き、上を見上げる感じ。
なんとなく頭にイメージ出来て来ました。
こういう状態になれば、だいたい手も上手く動かせます!
スピードスケッチの後に描いた絵
それで描いたのがこちら。
・・・どうですか?
始めの絵と見比べてください。
ぜんぜん、違いますよね?
そういう事なのです。
ジェスチャードローイングが練習できるオンラインツール
モデルさんをクロッキーする環境などない方でも手軽に練習できるオンラインのツールがあります。
上記は私も使っているツールです。ヌードがまじっているものもあるので、見る場所は念のため気をつけてくださいね笑
まとめ
スピードスケッチで養うことができるのはこれら。
なので絵を描く人、デザイナーで時々絵を描く人は、
エクササイズとして行うと、絵に表情がでることでしょう。
「スピード・スロースケッチで描く=右脳で描く」という方法は、数十年前にアメリカのベティ・エドワーズ教授が開発したもので、アップルなど著名企業で採用されていることでも有名のメソッドです。
日本でも翻訳版が販売されているのでぜひお役立てください。