絵で右脳活性化

右脳を活性化!絵を描かない人ほどオススメのスピード&スロー スケッチ

スピードスケッチ、ジェスチャードローイングってどんなもの?クロッキーとどう違うの?と思って来られた方へ。

ジェスチャードローイングは絵の基礎力向上のためのエクササイズ法。絵の基本のキである「モノの形をつかむ」だけでなく、動きの流れをつかむ視力を養うものです。
ピアノで言えばハノン。指を滑らかに動かすためのエクササイズ。バレエやダンスで言えば事前の柔軟体操に相当します。

ここではジェスチャードローイングやスピードスケッチがどういうものか、素描と訳されるデッサインやクロッキーの違い、そしてベティ・エドワーズ氏が考案した、逆に超スローで描く「純粋輪郭画法」についてもご紹介します。

私は美大卒ながらイラストを本業にはしていないので、仕事で人物絵を描く時は、本業の方のようにいつも描いていないため、スピードスケッチで勘を戻します
そうするとどんな風な変化になるかはこちらの記事で描いています。

絵が上手くなりたい!クロッキーのやり方 - デッサンと何が違う?

絵の基礎力の訓練にデッサンは聞いたことがあると思いますが、デッサンとクロッキーとは違います。

それぞれ、明確な定義や厳密な「スタイル」が決まっているわけではありませんが、デッサンは何時間もかけてじっくり鉛筆や木炭などでモチーフを見て描く方法で、いわば「造形」の基礎訓練です。

逆にクロッキーとは短時間で描くのが特徴です。短時間なので細かな描写はできません。初心者が陥りがちなディティールを初めから描いてしまう「森を見ずして枝葉を見てしまう」目を避け、形を表現するための骨格、要点をつかむ目を養うエクササイズ法と言えるでしょう。

デッサン(素描、drawing、dessign)

左:Bridgeview School of Fine Arts/右:竹花 香

左:ロシアの美大生の作品 (Repin Academy of Fine Arts)  右:自分作。2012年ごろ

石膏像や人体などを、鉛筆や木炭などで描く練習のための絵。
デザインや絵の学校ではかならずやります。
やりかたにもよるけど、10時間とか何日かに分けてじっくり描くイメージ。

この右の老婆の手の絵は、写真を元に描きました。
2日くらいかけて合計8時間くらいかかりました。
右脳を集中的につかったので、ぐだぐだに疲れた覚えがあります。

これは絵を描かない人にとっては
ハードルが高いし時間もかかるので、おすすめしません。

クロッキー(素描、Sketch、Croquis)

クロッキー
絵:BrOm

短時間で人体やモノなどのカタチをつかんで描写する絵の訓練法。
5分、3分、1分、30秒なんかで区切ってやります。

ええっ、そんな短時間で?と思うでしょう?
短時間だからこそ、
最小限の要素を探す訓練になるのですね。

初心者のありがちな「木を見て森を見ず」をとっぱらい、
その形がそう見えている要点をつかむ目を養うわけです。

マンガの顔ばっかり描いている人は、
人体クロッキーおすすめです。動きが出てくると思います。

ジェスチャー ドローイング(Gesture Drawing)

ジェスチャードローイングジェスチャードローイング上下とも By Scott T. Petersen

これがジェスチャードローイング(人によってタッチや描き方に違いあり)!
ピクサーなどでアニメーターやってた Scott T.Petersonさんの作品です。
さすがですね。単純な線の構成だけど、ねじりった感じや動きの表情がよくわかります。

時間はさらに短くなって2分、1分、30秒、10秒、5秒など。

クロッキーのときに描く「形」ではなく
描くものは「動き」「流れ」。

デッサンのようにそっくり描き込む必要はなく、
クロッキーみたいに形を描こうとしなくていい。

そのポーズの動きや流れを
最小限の要素で表現することが
目的。

長時間だと細部に目がいって余分な要素を入れてしまいがちだけど、

「最小限のその動きを現す一本の線」を見つけ出して描こうとする

だから、短時間がいいんです。流れるようなラインは動きが出ます。

これをやると、描ける「角度」が増えて表現が豊富になる。よって絵に動きがでやすくなる感じ。

絵を描かない人にもおすすめ。
短時間でたくさんかけるし、
「細かく描かない」からシンプルで負担にならない。
いい脳の刺激になるんです。

人体描くのって楽しいですから。

でもジェスチャードローイングという言葉は
あまり日本で知られていないかもですね。
私も学校で聞いたことなかったし、
英語版Wikipediaにはあっても日本語は無かった。

クロッキーを短時間で描くポイントは主要な線をつかむ。速く描くことではない

スケッチをする

10分でも人物全身を描くのはなかなか短いですよね。そうすると急いで描こうとしてしまいます。普通にデッサンするように詳細な部分や顔立ちもしっかり描こうとしちゃうんです。絵が描ける人はなおさら書き込もうとする傾向があります。(私も^^;)

しかしそれではクロッキーをする意味がないんですね。

モチーフの輪郭線なりその顔立ちをしっかり描くことではなく、大事なのは、そのモチーフの「動き」「流れ」を感じさせる「線」を見つけることなのです。

つまり詳細な「枝」ではなく「森(そのモチーフの動きや流れ)」をつかむためにに、短時間でやっているのです。全体を見ないで小さなところに目がいってしまうことを「森を見ずして枝を見る」と表現しますが、絵の世界でもそうなのです。

絵の基礎がない人や趣味のイラストだけを描いている人は、スケッチを描くと全体の骨格を描く前に詳細なところに目を奪われて書き込んでしまう傾向にあります。そういう絵は見て非常に不安定です。

細かなところではなく、まずは大きな流れや形を捉える。
その練習こそが「クロッキー」でありジェスチャードローイング(スピードスケッチ)なのです。

だから描き方はデッサンとは全く異なるわけです。顔は「丸」でいいんです。顔の方向や角度がわかる鼻や耳の位置くらいは抑えると動きが出やすいですね。

クロッキーより「動きと流れ」を意識して描くものがジェスチャードローイング

なお、クロッキーでさらに「形の流れや動き」に特化したものを「ジェスチャードローイング」と言います。クロッキー同様、短時間で描きます。

あまり日本では聞いたことないんですが、今の美大ではやっているのかなあ。

絵に立体感や動きをつけたいなら、クロッキーよりジェスチャードローイングがおすすめです。
私は最短で10秒をやったことがありますが、全くつかめずに終わりました(笑)。

最近、久しぶりに絵の仕事をすることになり、ドローイング(上の画像)をウォーミングUPとしてやりましたが、いい!右脳が刺激された感じ。感覚が蘇った感覚がありました。

実は、絵を描かない人こそ、クロッキーやジェスチャードローイングで絵をかくべきなのだ

絵の習作方法はいくつかあリますが、この短時間で行うジェスチャードローイング。

絵は特殊な才能がある人がやるものと思われがちだけど、実は違う。
絵を描くことは、右モードに頭を切り替えるためにとても有効な方法です。

特に言葉とか、数字とか、いわゆる「左脳」で処理することを多くしている人ほどおススメです。

いつもメインに使う脳とは違う場所をつかうので、刺激にあり活性の効果があるわけです。だから脳リフレッシュにとてもよいのです。

具体的には、この2つ。

1. 動体視力を養うと言われるスピードで描く「ジェスチャードローイング」
2.ゆっくり時間がとまったかのような 1秒1ミリで描く「純粋輪郭画法」

1秒1ミリ、時間をとめて描く「純粋輪郭画法」

これはカリフォルニア州立大学教授 ベティ・エドワーズ氏が提唱する
「脳の右側で描く」教育システムの中で教えているもの。

スピードで把握するジェスチャードローイングと真逆で、

手元を見ずに超低速で描くこと。

例えば手の輪郭を目を這うように
1秒で1ミリくらいのスピードで描く。

純粋輪郭画を描いている様子
純粋輪郭画を描く姿:エルテ出版「脳の右側で描け」B・エドワーズ著/北村考一 訳 P.85

手元を見ない理由は、
描く対象の観察に集中し、「手の描き方」として
子どもの頃から記憶してる象徴的な絵を描くことを避けるため。

つまり、左脳モードを拒否するためなんです。

左脳は、見て知っているものを象徴的に処理するのが得意。
右脳は、見たものをそのままに描くのが得意。

始めると左脳によって手元を見たくなりますが、
それに逆らって描くことに没頭することがポイント。

rinkaku純粋輪郭画の手のひらを描いた絵。一番下はわたし作。
エルテ出版「脳の右側で描け」B・エドワーズ著/北村考一 訳 P.88

部分的なのでわかりづらいですが、「線」が
あるがままの表情がある線になってますよね。

これをじっくりやった後、
いままで電車内から見る流れていた景色が
止まったように見えました。

細かいところを見る目が養われるみたい。

ジェスチャードローイングを練習したい方にオススメのツール

オンライン:時間で区切ってモデルの写真を見て描くツール

ヌードは服はシンプルに身体の線が分るので練習にはとってもよいのですね。

始めは「木を見て森を見ず」になりがちです。

たとえば服はポーズによって複雑なシワやゆがみがでますが、始めは細かいところに目が奪われてしまい、大事な骨組みが見えなくなってしまいます。

そこは時々自分の視点を見直し、なるべく体の骨格と筋肉の動きや流れを見るように心がけてください。

使用する紙はB4がオススメ

「クロッキー帳」は、紙の薄さ、広さが絵を描くのに向いた定番のスケッチブックです。私も始めはこちらを使っていました。

ですがもっと私は気兼ねなくバンバンかけるものが欲しいため、今はわら半紙(ざら紙)を使っています。

A4サイズはスケッチ練習には小さすぎますし、A3は短時間でどんどん紙を変えるクロッキーやジェスチャードローイングにはやや大きい気がしますので、B4がちょうどいいです。

B4は一般的に使うA4サイズよりふた回りくらい大きいサイズです。
B4:257×364mm
A4:210×297mm

この絵はA3わら半紙で描いた感じです。A3は家で座って書くには正直大きくて扱いづらい。でも1000枚パックを買ったので使い切ります笑。
横長で使っていますが、画板(スケッチボード)を使えば縦長でも描きやすいです。

クロッキー、スケッチ、スピードドローイング

クロッキー、スケッチ、スピードドローイング

個人的には、バンバン描くクロッキーはB4サイズのわら半紙、オススメです。

一枚ずつバラバラで扱いずらいですから、10枚くらいを画板(スケッチボード)に目玉クリップなどで止めて描いています。

描く道具は柔らか目で太いものがよい

画材は太めで柔らかめのものをオススメします。細くて硬いものは、自然と絵も細かく描いてしまうため向きません。
B10くらいの柔らかい鉛筆で描ことも良いですが、私はもっと太めで柔らかい方がざっくりと描く感じに描く方が大きな流れをつかみやすいので、「ダーマトグラフ」を使っています。

ダーマトグラフはガラスなどにも描ける油性の色鉛筆で、校正にも使われる、芯を出すときに巻いてある紙をピリピリ〜とはがずアレです。人によっては太すぎるかもしれません。

私はB10の鉛筆でもマジックでもしっくりこず、ダーマトグラフ オンリーです。
黒、赤、緑、茶色などいろんな色がありますが、黒よりもブラウンや紺色など、ダビンチなど巨匠のスケッチ風の色のついた線を描くと、なんとなく楽しいですよ。

ロングセラー「右脳で描く」ベティエドワーズ教授の指南書

ベティ・エドワーズ教授の「脳の右側で描け」は、右脳で描くことで絵が上達する方法を見つけて体系立てたものです。

世界的なベストセラー「ハイ・コンセプト(ダニエル・ピンク著 大前研一氏訳)」でも大きく取り上げられています。米国では、実はアップル、IMB、AT&T、ウォルト=ディズニーなどの企業研修でも採用されているくらいのメソッドです。

私はこのベティ・エドワーズ氏より直接指導を受けた方からスピードスケッチ法を教わり、あとから書籍を購入しました。学んだコースの内容が詰め込まれています。

 

まとめ

長くなってしまいましたがこのスピードスケッチと、1秒1ミリスケッチは、
絵を描く人だけでなく、ビジネスパーソンにも絶対におすすめです。

いつもと違う脳を刺激するからリフレッシュできて、いいアイディアが出てくるかもしれませんよ!

追記

「ボーンデジタル」というクリエイター支援の教育機関が、東京で定期的にジェスチャードローイング、クロッキーなどをやっています。価格も手頃なのでぜひチェックを。開催の回によって講師や内容が変わります。(その他にデジタルソフトを使ったセミナーも)。

ボーンデジタル セミナー/トレーニング 開催予定
https://www.borndigital.co.jp/seminar/new/

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